真言宗豊山派季刊誌「光明 第230号」より一部引用

初七日(しょなのか)は、亡くなってから七日目の仏事です。人が亡くなると四十九日後に生まれ変わると考えられています。 初七日は、故人が三途の川のほとりに到着する日とされており、生前の行いによって三途の川の渡り方が分けられると考えられています。

初七日には、個人の確かな成仏を祈り、僧侶に読経を頼みます。今日では葬儀の当日に繰り上げて初七日の法事を行うことも見られるようになりました。遠方の親族や高齢の近親者が重ねて足を運ぶのはたいへんであることを気遣った対応です。

初七日の本尊は不動明王です。不動明王は、その名のとおり「動かない」仏さま。と言っても動かないのは、からだではなく、そのこころです。不動明王が右手で握る剣は「智慧」を象徴し、悟りの妨げとなる煩悩を断ちきります。左手に持つ羂索(けんさく)という縄は、悩める人々をもらさずに救い取る「慈悲」を表します。炎が全身を包んでおり、その燃え上がる猛火によって、あらゆる不安を焼き払い、遠ざけるのです。

頼もしい不動明王に守り導かれて、亡き人は、最初の忌日となる初七日を迎えます。そして、悟りの世界に向かって、さらに強く歩み出すのです。